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ラスト・ラブレター

最後の恋文

ラスト・ラブレター

江戸指物職人と美貌の家具店主。あえて男女の仲を避けて過ごした20年間。人はどこまで純粋な愛を貫けるのか。初文庫化。

著者 樋口修吉 著・文・その他
ジャンル 文庫 > 徳間文庫
発行元出版社 > 徳間書店
シリーズ 徳間文庫
出版年月日 2022/10/07
ISBN 9784198947842
判型・ページ数 文庫・546ページ
定価 1,056円(税込)
〈人はどこまで純粋な愛を貫けるのか?〉 天
涯孤独の江戸指物職人・村野清雄。その卓越し
た才能とストイックな人柄に惹かれた美しき家
具店主・佐竹阿見子。あえて男女の仲を避けて
過ごした二十年間──見守ること捧げた人生の
末、届けられた「最後の恋文」とは? 〝世界
一の熱愛〟『ジェームス山の李蘭』から十年。
究極の「無償の愛」を描いた名作。 
初文庫化。
(『最後の恋文 ミオ・パトローノ』改題)

〈目次〉
第一章 小夜子という女
第二章 ひとり立ち
第三章 パートナー誕生
第四章 一番町の工房
第五章 幼い愛
第六章 ヴーヴ・クリコ
第七章 青い挑戦
第八章 アルチザン志願
第九章 月見の宴
第十章 秘密の写真
第十一章 隠居との取引
第十二章 茜の後悔
第十三章 ガラスへの道
第十四章 ヴェネツィアからの手紙
第十五章 ブレルのように
第十六章 カナル・グランデ
第十七章 最後の恋文
あとがき
解説 美村里江
  • 樋口修吉
    1938年福岡県生まれ。慶應義塾大学文学部・同法学部を卒業。三井物産勤務の後、ヨーロッパ・南米などを放浪。81年『ジェームス山の李蘭』で第36回小説現代新人賞を受賞し文筆活動に入る。同作は第90回直木賞候補にも挙げられる。代表作に『針路はディキシーランド』『銀座ラプソディ』『たそがれトランプ』など。2001年逝去。
ぬりかべ
この人の名をなんとなく覚えていたのは確か すんごい昔に読んだ近代麻雀とかで誰かに絡んだ 小説家がいて、確かこんな名前だった。 当時は読んだことのない作家でギャンブルなイメージがありましたが、新装版として読んでみたところ、2人の女性に対峙する村野の心の葛藤を存分に楽しませてもらいました。 (ギャンブル一辺倒と勝手に思ってました。) ラストシーンからのそれからについて個人的解釈。 ネタバレしない程度に濁すと呪縛となるのか発展的解消となるのか悩ましいところですが、個人的には後者の方になって欲しいかな、と。
ささらもさら
「ジェームス山の李蘭」に続いて、同じく樋口修吉氏のラブストーリーである本作を読みました。どちらも昭和の風情が文面から匂い立つようで、そこがたまらなく好きなところ。舞台は主に横浜近辺。主人公である「キヨ」こと清雄、年上の家具店主・阿見子、キヨに思いを寄せる年下の茜、という三人のいわゆる「三角関係」を描いています。といっても忙しく恋愛ドラマが展開するわけではなく、三人の気持ちに寄り添うようにゆったりと物語は流れる。そこも時代が感じられて、すごく良かったです。少しキザで清らかな恋物語を堪能しました。

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