中島らも曼荼羅コレクション#1

白いメリーさん

白いメリーさん

殺し合いが許される特別な一日『日の出通り商店街 いきいきデー』、謎の老女の噂を追う『白いメリーさん』など傑作短篇集。

著者 中島らも 著・文・その他
ジャンル 文庫
文庫 > 徳間文庫
発行元出版社 > 徳間書店
シリーズ 徳間文庫
出版年月日 2021/11/09
ISBN 9784198946937
判型・ページ数 文庫・274ページ
定価 814円(税込)
反逆のアウトロー作家・中島らもの軌跡を集大成し
た〈曼荼羅コレクション〉第一弾。都市伝説に翻弄
され、孤立した少女の悲劇を描く表題作。呪いの家
系を逆手に取った姉妹に爆笑必至の「クローリング
・キング・スネイク」。夜な夜な不良を叩きのめす
謎のランナーの目的は?「夜を走る」他、ホラーと
ギャグ横溢の傑作短篇に加え、著者単行本未収録作
「頭にゅるにゅる」を特別収録。

イラスト Jaco Putker

〈目次〉

日の出通り商店街いきいきデー

スネイク・キング・クロウリング

白髪急行

夜走る人

脳の王国

掌(てのひら)

微笑と唇のように結ばれて

白いメリーさん

エレベーター・イン・ラブ

頭にゅるにゅる

解説 大槻ケンヂ
  • 中島らも
    1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞を、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年、転落事故による脳挫傷などのため逝去。享年52。
ゆきゆき
新装版が出ていたので購入・再読。氏の作品のクスクス笑えると思ったら、ゾッとする最後に連れて行かれる感じは癖になります。解説の大槻ケンヂが言うところの「弱者、はぐれ者に対する優しい視線」で書かれた『クローリング・キング・スネイク』は現代ホラーとミュージシャンのサクセスストーリーが合わさった傑作。スプラッターな展開が続きながらも、落語みたいな惚けた味わいのある『日の出通り商店街いきいきデー』も良き。そして表題作の、不気味ながらもどこか幻想的な情景が目に浮かぶラスト。氏でしか書けない唯一無二の短編ばかりです。
one_shot
先日、敬愛する漫画家キム・ジョンギ氏の突然の訃報にふれてなぜだか読みたくなってしまった中島らも。二人とも天衣無縫。時にシュールでニッチ、かつダイナミックな作風。徐々にディメンションをずらしながら読者のモラルや常識を揺るがしていくところも同じ。「夜走る人」「脳の王国」まあ、全編甲乙つけ難く好きなのだが、内容は見事にすっかり忘れていた。リリパット出身の役者・山内圭哉さんの解説はほとんどらも氏との思い出話のようでおもろ切ない。正確には講談社文庫版を読んだので、この徳間文庫版にある「頭にゅるにゅる」だけ未読。

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定価814円(税込)

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