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雨夜の星たち

他人に興味を持たない長所を見込まれた三葉雨音は「お見舞い代行業」にスカウトされる。注目著者が「めんどうな人」の機微を描く

著者 寺地はるな 著・文・その他
ジャンル 文芸書
発行元出版社 > 徳間書店
文芸
シリーズ 文芸書
出版年月日 2021/06/10
ISBN 9784198653026
判型・ページ数 四六・232ページ
定価 1,650円(税込)
できないことは、できません。
やりたくないことも、やりません。


三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。
同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。
他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は
「お見舞い代行業」にスカウトされ、
移動手段のないお年寄りの病院送迎や
雑用をする「しごと」をはじめる。

文芸界の注目著者が
「めんどうな人」の機微を描く!

【著者からのコメント】
「雨夜の星」は目に見えません。
でもたしかにそこにあります。
空気を読むという言葉があります。
空気は目に見えません。
見えないけれどそこにあるものは、
良いものとはかぎりません。
その場の空気を読むことばかりに心を砕き、
いつのまにか決定的に間違った方向へ
進んでいく。そんな危険だって、
とうぜんあるのではないでしょうか。
空気は読めなくてもいい。
あるいは読めても従わないという選択肢だって
きっとあると信じて、この物語を書きました。

【主な登場人物】
◆三葉雨音 26歳。職業はお見舞い代行。
他人に興味がない。
◆霧島開 三葉の雇い主。
喫茶店の店主で、ホットケーキが苦手。
◆リルカ スナックで働く、
感情豊かで共感能力が高い霧島の彼女。
◆星崎聡司 三葉の元同僚。
湯気の立つ食べものが苦手。失踪中。

【依頼人たち】
◆田島セツ子 病院への送迎。聞き上手な80代。
◆権藤 肝臓の病気で入院中の70代。
因縁の相手。
◆清川好美 手術の付き添い。
配偶者なしの42歳。
  • 寺地はるな
    一九七七年佐賀県生まれ。大阪府在住。『ビオレタ』で第四回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。二〇二〇年度咲くやこの花賞文芸その他部門受賞。著書に『みちづれはいても、ひとり』『大人は泣かないと思っていた』『夜が暗いとはかぎらない』『わたしの良い子』『希望のゆくえ』『水を縫う』『やわらかい砂のうえ』『彼女が天使でなくなる日』『どうしてわたしはあの子じゃないの』『ほたるいしマジカルランド』などがある。
toto
三葉は相手の気持ちを察することができない、とされてたけど(そりゃ下手ではあるけど)決め付けが嫌でしなかった、が当てはまると思う。 終末期の権藤にビニール傘でほたるいしマジカルランドのメリーゴーランドを再現、なんて素敵やん(関西弁のマネ)。 偶然会った道端で友だちまで巻き込んで手を振ってくれた歩佳、借りてたマフラーを返したのに「寒いから」とまた貸してくれた星崎くん、理解者はいるし、別に多くなくていい。 ただ、テーマからして連作短編集の方が面白かったのでは。リルカや姉の心情ももっと知りたい。
インディアン
しっとりと日常を描いた、いい作品。人間関係は難しいけど、雨音さんのように、忖度なく真正面から受け止められたら…と感じた。

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