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一橋桐子(76)の犯罪日記

一橋桐子(76)の犯罪日記

刑務所に入れば安泰!? ひとり暮らし一橋桐子76歳の人に迷惑をかけない生き方とは!

著者 原田ひ香 著・文・その他
ジャンル 文芸書
発行元出版社 > 徳間書店
文芸
シリーズ 文芸書
出版年月日 2020/11/11
ISBN 9784198651886
判型・ページ数 四六・312ページ
定価 1,815円(税込)
―――――――――――
2021年5月14日 朝日新聞朝刊
「オトナになった女子たちへ」
で紹介されました。

―――――――――――



「刑務所に入りたい!」
高齢者の切なる願いは、
人に迷惑をかけずに生きることだった。


<著者からのコメント>
テレビや雑誌で、
凄惨な事件や驚愕の出来事などを
見るのが苦手です。
しばらく、そのことばかり考えて
何も手につかなくなったり、
眠れなくなったりします。
そんな時は事件の当事者の、
いったいどこに分岐点があったのか、
どこでどうすれば事件に巻き込まれなかったのか
答えが出るまで考えてしまいます。
残念ながら、
答えが見つからないこともしばしばです。
桐子さんは小さな幸せから放り出されました。
彼女が事件に巻き込まれないように
一緒に考えてはくださいませんでしょうか。
共に、はらはらしてくださったら幸いです。


<担当からのコメント>
私も桐子さんと同じ、
「人に迷惑をかけないで生きていきたい」と
思っていました。でもこの本を読んで、
「迷惑をかけて生きていてもいいのかもしれない」
と考えが変わりました。
人に迷惑をかけてこそ、生きている証なのだと!
人とのつながりが疎遠になっている今この時代
だからこそ、読んでもらいたい作品です! 

<編集長からのコメント>
まだ41歳の私ですが、
76歳の桐子に激しく共感しました。
この老後は決して他人事じゃない――。

万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人
どれが一番長く刑務所に入れるの?


老親の面倒を見てきてた桐子は、
気づけば結婚もせず、76歳になっていた。
両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで
細々と暮らしているが、貯金はない。
同居していた親友のトモは病気で
先に逝ってしまった。
唯一の家族であり親友だったのに……。
このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。

絶望を抱えながら過ごしていたある日、
テレビで驚きの映像が目に入る。
収容された高齢受刑者が、
刑務所で介護され
ている姿を。

これだ! 光明を見出した桐子は、
「長く刑務所に入っていられる犯罪」
を模索し始める。

第一章 万引
第二章 偽札
第三章 闇金
第四章 詐欺
第五章 誘拐
最終章 殺人
  • 原田ひ香
    1970年神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。著書に「東京ロンダリング」「三人屋」「ランチ酒」シリーズ、『母親ウエスタン』『ミチルさん、今日も上機嫌』『ラジオ・ガガガ』『三千円の使いかた』『まずはこれ食べて』『古本食堂』など多数。
mana
桐子さんに好感が持てるだけに悲しくなってしまった。真面目に生きてきた人が「捕まった方がマシだ」と考えてしまう社会って、何かが間違っている。桐子さんは周りに恵まれて偶々うまくいったけれど、一歩間違えば殺人犯になる未来もあった。社交性が低い人だともっと悲惨だろう。社会保障にアクセスできない高齢者を情弱だと切って捨てることは簡単だが、何の解決にもならない。逆に「兄貴」のように搾取する側に回ったとしても、幸福とは呼びがたい。どう生きるかという問いは、若いうちだけでなく寧ろ高齢になってから効いてくるものなのかも。
canolalionleaf2
親の介護をしてますが、桐子さん、親たちよりも歳が上なのにすごいなって… 自分も丁寧に生きていこうって思いました。

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