子どもの本だより 本の紹介

子どもの本だより 本の紹介

2017年03月16日

3・4月号 オランダ発の本

オランダと聞いてみなさんが思い浮かべるのは、なんでしょうか? チューリップと風車? それともサッカーや自転車? 先日亡くなった「うさこちゃん」シリーズの作者ディック・ブルーナも、この国の人です。あまり知られていないかもしれませんが、子どもの本の出版がたいへん盛んな国です。そんなオランダ発の本をご紹介します。

ショッピングカート

ショッピングカートのぼうけん』は、スーパーマーケットの小さなショッピングカートが主人公。お店の品物がお客さんに買われたあと、どこに行くのか、興味津々。そこである晩、卵やフランスパン、ごみぶくろなど仲間をのせて、夜の町へ出かけました。冒険の始まりです! 人通りのほとんどなくなった夜の町の雰囲気が伝わってきます。発想もイラストもユニークな、楽しい絵本。

 

 

おねえちゃんに

おねえちゃんにあった夜』の主人公「ぼく」には、じつは自分が生まれる前に死んでしまったお姉ちゃんがいました。家のかべにかざってあるモノクロ写真でしか知らないお姉ちゃん。でも、ある夜、眠っているぼくのところに、お姉ちゃんがやってきた! ふたりは、自転車に乗って、町から森へ、そして、ぼくが両親といっしょにときどき訪れる墓地にも行って…。子どもの目線でとらえた「死」を、詩的な文章と美しいイラストでていねいに描き出す、悲しみとあたたかさにあふれた絵本。文章はベルギーの作家が書いています。

 

 

パン屋のカエルになった

パン屋のこびととハリネズミ ふしぎな11のおとぎ話』と『カエルになったお姫さま お姫さまたちの12のお話』の二冊は、国際アンデルセン賞作家アニー・M・G・シュミットのおとぎ話を集めた短編集。どれもちょっぴりふしぎで、かわったものばかり。たとえば『パン屋の…』表題作は、パン屋にすんでいる、パン生地でできたこびとが、パン屋のおやじさんにどなりつけられたせいで、機嫌をそこねてしまったため、丸めたばかりのパン生地がハリネズミに変わってしまう、というお話。三冊め『犬とおばあさんのちえくらべ』が三月に刊行されます。

 

ネコのミヌース

同じくシュミットの『ネコのミヌース』は、若い新聞記者ティべが、もとはネコだというふしぎな若い女の人ミヌースに出会ったことから始まる、楽しい物語。ミヌースは、町じゅうのネコたちと力をあわせ、恥ずかしがりやのティベのために、ニュースをたくさん集めます。ティベはそれをもとに記事を書きますが、それが、大さわぎをひきおこして…。善良なティベが報われるラストが爽快な、シュミットの代表作。

 

 ぜひ、オランダの本に目をむけてみてください。      (編集部 田代)

 

絵本

『ショッピングカートのぼうけん』ビビ・デュモン・タック文/ノエル・スミット絵/野口絵美訳

『おねえちゃんにあった夜』シェフ・アールツ文/マリット・テルンクヴィスト絵/長山さき訳 

 

児童文学

『パン屋のこびととハリネズミ ふしぎな11のおとぎ話』『カエルになったお姫さま お姫さまたちの12のお話』アニー・MG・シュミット作/西村由美訳/たちもとみちこ絵 

『ネコのミヌース』 アニー・MG・シュミット作/カール・ホランダー絵/西村由美訳