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薄紅天女 下 文庫版
北の国の火の女神は、輝く玉を東の地の息子に遺した…。異族の地を駆ける、坂東の少年たちの運命は? 日本のファンタジーの金字塔「勾玉三部作」完結編!特別対談 佐藤多佳子×荻原規子
冬見
上巻からところは変わって宮中、視点は阿高から皇女・苑上へ。長岡京は怨霊騒ぎに揺れていた。「都に近づくさらなる厄災」を退けるべく男装をし宮中を飛び出した苑上と、坂上田村麻呂と共に怨霊退治にやってきた阿高たちが出会う。◆火の女神チキサニに始まった因果の輪が閉じる。物語の運び方や論理の働き方が日本神話のそれでおもしろい。姫君を盗み出す話が大好きなので幕引きは非常に好みだった。
シロクマ
歴史上の人物が上手く織り交ぜられていて、奈良・平安時代に興味を持つきっかけになった一冊。勾玉三部作の中で一番読みやすく親しみやすいと思う。皇女の苑上は荻原規子先生の丁寧で上品な文体がよく似合う。 上巻ももちろん大好きだけど、少女小説好きとしてはやっぱり下巻が至高!阿高の最後のひとことだけで、いつでも何度でもときめける。