兄さんが事故で死に、父さんは悲しみから立ち直れない。11歳のヘンリーは、必死で働く母さんを助けようと自分も食料品店で働いている。あるとき近所に住むユダヤ人のおじいさんの作った木彫りの村に感動したヘンリーだが、思いがけず恐ろしい罠にはまってしまい…。生まれてはじめて出会った「悪」に一人で立ち向かう少年の姿を、鬼才コーミアが描く。
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ロバート・コーミア
1925年米国マサチューセッツ州生まれ。新聞記者、コラムニストとして記事を書きながら、おもにヤングアダルト向けの小説を発表。1974年に発表した『チョコレート・ウォー』(扶桑社)が脚光を浴び、現在では、「ヤングアダルト小説の古典」と評価される。以後、次々と話題作を発表。作品に『フェイド』(扶桑社)、『わたしたちの鳴らす鐘』(ほるぷ出版)ほか。
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原田勝
1957年生まれ。翻訳家。訳書にウェストール作「弟の戦争」、チェンバース作「二つの旅の終わりに」(ともに徳間書店)ほか多数。