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武侠小説Q&A

Q:武俠小説って何ですか?
A:その名の通り、武芸に優れ、義俠心に溢れたヒーローやヒロインが、中国の王朝時代を舞台に活躍する、中華版チャンバラ時代小説です。中身はもちろん中華テイスト満載。馬賊や海賊や秘密結社やカルト教団や刺客や用心棒、それから様々な武術流派が入り乱れて、恋ありサスペンスあり歴史秘話あり冒険ありのストーリーが展開されます。
王朝転覆の壮大な陰謀から、仇討ち、武術の奥義書の争奪、武芸の腕をかけての果たし合い、それに初々しい青春の恋から血を吐いてのたうつがごとき悲恋、秘めた恋に耐える恋、横恋慕に誤解にすれ違いまで、韓流ドラマにも負けないバラエティですぞ。ハードボイルドな男の友情もあれば、近年ではタイムスリップで古代中国に行ってしまうというSFっぽい設定まであり、エンタテインメントのあらゆる要素がてんこ盛りのジャンルです。
日本と違うのは、まず女性も強いということ。男顔負けの武芸を使う美女が次々登場します。それから、武芸は「気功」が基本です。「気」の力を操ることで、目くるめく武芸の秘技が次々と登場、円月殺法や燕 返しの数十倍パワーアップした世界が広がります。とりわけ、冒険小説、歴史伝奇小説、アジアン・ファンタジーのお好きな方々には、楽しんでいただけるでしょう。

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Q:金庸ってどんな人?
A:1924年、浙江省海寧の名家の生まれ。新中国成立前夜に新聞記者として香港に渡りました。1955年『書剣恩仇録』で武俠作家としてデビュー、いきなり人気作家となりました。それだけではなく、今や香港の一流新聞である『明報』の創始者であり、中国の文化大革命時期には、政治評論家としても慧眼を発揮しました。社主自ら人気作家とジャーナリストの二足のわらじを履いて健筆を揮い、『明報』を一流紙に押し上げたわけです。香港返還に際しては、香港特区基本法起草委員や全人代香港特区準備委員会の香港側委員を務め、その引退後は、北京大学客員教授、浙江大学人文学部長など大学教育にも携わっています。つまり、作家、ジャーナリスト、実業家、政治家、大学教授といずれの分野でも一流の成功を収めた、まれに見るマルチタレントの巨人なのです。日本にはちょっと見当たらないタイプですね。

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Q:金庸の武俠小説は中国人なら誰でも知っているって本当?
A:本当です。「中国人のいるところ金庸の小説あり」と言われる国民的作家ですから。ニューヨークやサンフランシスコのチャイナ・タウンでも、本屋には金庸の小説がずらりと並んでいます。小説だけでなく、映画化され、TVドラマ化され、漫画化され、ゲームになって、マルチメディアで親しまれていますので、小説をちゃんと読んだことのない人でも、ストーリーや登場人物を知っています。日本の忠臣蔵や遠山の金さん、いやいや、ドラえもんやサザエさん並みの普及度かもしれません。なにせ、中国のウェブ・サイトには「葵花宝典」(金庸の『秘曲笑傲江湖』をお読みください)と題する大学新入生向けキャンパスライフ・マニュアルのコンテンツがあったり、証券界のカリスマが「弾指神通」(金庸の『射鵰英雄伝』をお読みください)と呼ばれたり、日常生活にまで浸透していますから。中国人と盛り上がる絶好の話題になります。

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Q:他の国では?
A:華 僑の多いシンガポール、タイ、インドネシア、ベトナムなど東南アジアでも金庸作品は人気があり、日本より早い時期からベトナム語、タイ語、インドネシア語の翻訳も出ています。また、金庸小説を原作としたTVドラマも放映されています。旧南ベトナムの国会が紛糾した際に、「お前なんか左冷禅(権力狂い)だ」、「何っ、貴様の方こそ岳不羣(偽善者)じゃないか」という罵倒合戦が繰り広げられたとか。左冷禅も岳不羣も金庸『秘曲笑傲江湖』の登場人物。このくらい普及していました。韓国でも80年代から金庸小説の韓国語版はベストセラーです。ちなみに、韓流ブームで、日本でも紹介された武俠ドラマ『アウトライブ』や『武士(ムサ)』、『チェオクの剣』といった時代劇アクションは、ワイヤーワークやチャンバラシーンなど、映像の作りが香港武俠映画とよく似ているでしょう。武俠の本家本元は中華なんです。金庸作品は、その中でも、全作品が繰り返し映像化されています。

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Q:特に人気のある作品は?
A:かつて香港のメディアが地元高校生に対して行ったアンケートでは、『秘曲笑傲江湖(原題:笑傲江湖)』がトップでした。確かにストーリーテリングの妙という点では、山あり谷あり、サスペンスたっぷりで思わず最後まで読んでしまう作品です。映像化の頻度が最も高いのは、「射鵰三部作」と呼ばれる連作。特に第一作の『射鵰英雄伝』と第二作の『神鵰剣 俠(原題:神鵰俠侶)』でしょう。前者は、少年のみずみずしい成長と恋を描くビルドゥングスロマン、後者は、武俠小説史上最高の至純の愛とその試練を描く作品。かつて香港のお祭りでは、『射鵰英雄伝』の主人公カップルのコスプレが登場し、『神鵰俠侶』の連載当時は、生き別れになった主人公カップルを再会させてくれ、という読者の嘆願書が山ほど作者のもとに届いたそうです。人気のほどがわかります。中国の大人のインテリ層に人気があるのは、『天龍八部』。仏教の哲理や囲碁の戦法など、中国の伝統文化の深い知識と教養が反映され、ただのチャンバラ小説では終わらない読み応えのある作品だとか。

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Q:子供から大人まで楽しめるというその魅力は?
A:まず、怒濤のストーリーテリング。緩急自在で読者を飽きさせず、ジェットコースターのようにぐいぐい引っ張っていくストーリーに、つい徹夜させられてしまった読者も数知れず。凡庸な作家なら、三作品か四作品に分けて書きそうなアイデアや趣向を惜しみなく長編一作に盛り込んでいますので、先がどうなるか気になってしようがない、という、物語を楽しむ原点の快感を味わえます。歴史、アクション、サスペンス、恋愛と様々な要素が入っていて、どこからアプローチしても楽しめます。中国のある女性読者は、「わたし、格闘場面は割と適当に読んでるけど、とにかく主人公の恋愛から目が離せなくて」と言っていました。そんな読み方でもいいんです。
それから、多様なキャラクター。皇帝からアウトローまで、子供から老人まで、実に個性的な登場人物が入り乱れます。金庸の武俠小説は、主人公が10代の少年少女であることが多いので、中国の若者には当然人気がありますが、中年、老年の脇役がこれまた一癖も二癖もある個性派揃いで、どの年代にもアピールするものがあること、100%の善人や悪人といった類型的なキャラクターがいないので、人それぞれに「私のお気に入りキャラ」や「気になるキャラ」を見つけてハマれるのです。日本でも「恋も武芸も生涯現役」爺婆キャラの人気は高いようであります。

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Q:中国の歴史に詳しくなくても大丈夫?
A:大丈夫です。歴史背景も作品の趣向の一面。もちろん虚構も加えられています。むしろ、金庸をきっかけに、日本ではあまりなじみのない宋・元・明・清の時代に興味を持っていただければ幸いです。漢民族だけでなく、ウイグルやモンゴル、チベットなど少数民族も出てくるし、『鹿鼎記』では主人公がロシアも舞台にして大暴れします。
日本の時代小説は、剣豪小説とか市井人情ものとか捕物帳とか武家ものとか忍者ものとかさらにジャンル分けされていますが、金庸の武俠小説は時代もののあらゆるジャンルがこれでもかと入っています。お好みの路線からアプローチして楽しんでください。

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