原作・脚本・監督 磯光雄電脳コイル

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三番目のユウコ通信 小説版

三番目のユウコ通信 vol.12

ほんとうにお待たせしました、『電脳コイル』第8巻発売です。

ぼんやりしているうちに年が明けて冬が終わって、桜も散って、春も終わりに近づいていました。昨年本業(いまいちど、ご存知ない方のために。脚本家でございます)に復帰して以来『コイル』→シナリオ→『コイル』→シナリオという執筆スタイルが定番となっているのですが、そんな中での『コイル』執筆、いまやわたしにとって、なくてはならない仕事のあとのお楽しみという感じです。

もちろん今回も、書きながら大いに楽しませていただきました!

今回の8巻はですね、いろんな意味でいままでとちょっとムードがちがいます。大きな事故があったり事件があったりということではないんだけれど、よく考えるといちばんダークかもしれない。それも、おなかの底でじつはすごく黒いことを考えていて、とかそういう物語的にわかりやすいダークではなくて。日常の延長の「いやな感じ」というかな、普段は自分で見ないようにしているいやなところ、すなわち登場人物たちの“弱点”がぼろぼろとこぼれ出てくるような。そういう場面がいくつもつづきます。

いちばん危ういのがイサコですね。イサコファンにとっては、ちょっとショックな一面がこの巻では露呈してくるかも。もちろん、それは好き勝手に書いているわけではなくて、小説版を構想しているときから考えていた展開通りなんだけど、それでもいままでとはまったくちがうイサコの一面、弱点があらわになっているので、おどろく方が多いかもしれませんね。でもこのあたりの展開が、のちにどんなふうに変わってゆくか、それが小説版『電脳コイル』の後半戦の大きな見所のひとつとも言えるので、ぜひ楽しんで(こわいもの見たさで)味わっていただければ幸いです。
そしてもうひとり、いままでとまったくちがった面をみせるのが、ハラケン。ハラケンは正直、ストーリーが進む中でこちらの思惑をいちばん外れて「育ってしまった」キャラなんですが、面白いもんで、育ってしまったがゆえに、こちらが当初考えていたストーリーに無理なく乗ってゆける男子に成長してくれて、頼もしい限りです。

わたしが今回書いていてとても楽しかったのは、ヤサコVSイイジマ。じつはイイジマというのは、小説版『電脳コイル』の中でもちょっと異色な立ち位置のキャラクターなんです。今巻でそれが見えるかどうかは微妙なのですが、彼女はこのあとも意外な人物と結びついたりすることになるので、覚えておいていただけるとうれしい。

今巻もいろいろ見所満載の1冊です。このあとの次巻(第9巻)は、まったくちがった空間で、もうひとつのお話を追う展開も重なってゆくので、ぜひ読みこんで復習をしっかりしておくように。

というわけでGWのはじまり、今年もアニメ版再放送と小説版をよろしく!

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