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黒房の十手
火盗改宇佐見伸介
江戸城下の警備警護に当たる先手組は、加役として市中の悪党どもを捕らえる火付盗賊改に任じられる。組頭・三宅弥次左衛門正照率いる先手鉄炮組は臨時の増役で火盗改を仰せつかった。三宅組与力・宇佐見伸介は慣れない捕り物に向けて手探りで準備を進める。町奉行や寺社奉行とのとの軋轢や確執を乗り越えて、正義を全うする侍たちの活躍を描く時代ヒーロー小説。新たなる火盗改の登場!
ponn
推理、捕物より組織を立ち上げる経緯が興味深い。以前、自分も主人公と同じような立場で同様の経験がありオーバーラップして楽しく読めました。新しい仕事を一から立ち上げるのは大変だけれど充実感が得られます。実務は現場に任せていざという時頼りになる、理想のお頭です。自分もそうありたい。
M2
志木沢さんの新シリーズは火盗改という組織物。長谷川平蔵がまだ生まれる前の時代、江戸庶民から人気のない火盗改という役を拝命してしまった人々の奮闘を描いたということですが、面白かったです。主人公の伸介や上司、同僚、部下、手下、そして伸介の娘など、様々な人物が活き活きと描かれていました。特にお頭の弥次左衛門がなかなか喰えない素敵なおじいさんでした。南町奉行との兄弟対決も楽しかったです。まだ明らかになっていない3年前の事件の真相も気になります。次巻が待ち遠しい!