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伯爵夫人の肖像

伯爵夫人の肖像

大正6年に起こった伯爵夫人の心中事件。新聞記者の広瀬は取材を重ねるうちに、華やかな伯爵家の実情を知ることになる――。

著者 杉本苑子
ジャンル 文庫
文庫 > 徳間文庫
シリーズ 徳間文庫
出版年月日 2018/09/07
ISBN 9784198943929
判型・ページ数 文庫・432ページ
定価 803円(税込)
男と女が鉄道に飛びこんだ。心中か――新聞記者の広瀬為次郎は特ダネのにおいを嗅ぎつけ現場に向かった。由緒正しき芳村伯爵家の若夫人とお抱え運転手の情死行に新聞のスクープ合戦は過熱。一方、広瀬は取材を重ねるうちに華やかに見える伯爵家の実情と華族社会の頽廃を目の当たりにする……。大正時代、実際に起こったスキャンダルをもとに、運命に翻弄された悲恋の行方を描いた名作。(解説:澤田瞳子)
  • 杉本苑子
    1925年東京都生まれ。「燐の譜」で第4回「サンデー毎日」懸賞小説に入選。『孤愁の岸』で直木賞、『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、『穢土荘厳』で女流文学賞を受賞。1987年紫綬褒章、1995年文化功労者、2002年文化勲章、菊池寛賞を受賞。著書に『傾く滝』『春日局』『埋み火』『マダム貞奴』『檀林皇后私譜』『散華』など。2017年逝去。
はちがみっつ
大正5年、伯爵夫人(婿取り)と運転手の電車飛び込み心中事件、主人公はそれを追う新聞記者。 特権階級への妬みもあり、人権などもなく、周囲を取り巻く取材陣の取材合戦をメインに、段々と同情をし、寄り添う形のなる主人公の心境の変化が人間味がありホッとする。世界は戦争の色濃く、果てはほぼ無一文で夫人がなくなるシーンで終わる。庶民から見た華族制度の象徴のような話だった。
ひまわり*
大正時代に実在した心中事件を元にしたお話らしい。心中事件の片方が華族令嬢と知り、新聞記者広瀬が追う視線で話は進む。メールも映像もない時代にとにかくスクープを狙う記者の熱意が黒い。車も少なく、人力車を使って走り回っていた。言葉回しも時代が色濃く出ていて読みにくかった。新鮮で勉強になったし面白かったが、記者のスクープ合戦の熱意に入り込めず半分ほどで挫折。パラパラと流し読みで終了。流し読みの中では、広瀬の奥さまが印象的でした。いつの時代も印象に残るのは女性だ(笑)

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