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紫鳳伝

神翼秘抄

紫鳳伝

両親の仇を討つため、少年は伝説の名刀を手に入れようとし、その持ち主の紫鳳と出会う。腐敗した世で、再び彼女の闘いが始まる。

著者 藤野恵美
ジャンル 文庫
文庫 > 徳間文庫
シリーズ 徳間文庫
出版年月日 2018/01/09
ISBN 9784198943035
判型・ページ数 文庫・512ページ
定価 913円(税込)
極寒の地、冰心山。魔女が棲むと恐れられている山に向かうひとりの少年がいた。その名は蓬己。山の頂にあるという伝説の名刀「月家刀」を手に入れ、両親の仇を討とうとしていたが、あと少しのところで謎の黒装束の男に奪われてしまう。しかし、そこには永い眠りから目覚めた柳紫鳳が立っていた。月家刀の行方と共に明らかになる、腐敗した王政。再び、紫鳳が動き出す―。
  • 藤野恵美
    大阪芸術大学文芸学科卒業。 第20回福島正実記念SF童話賞佳作受賞、『ねこまた妖怪伝』で第2回ジュニア冒険小説大賞受賞。 『ハルさん』で、「2013年 文庫大賞」(啓文堂大賞 文庫部門)を受賞。
灰猫
二作目 前作から100年後だが、前作の登場人物を受け継いだ人物も出てくる。同じく復讐譚ではあるが、中心は親の仇討ちのために月家刀を入手しようとする蓬己だろう。キャラ的には桐青もいい。紫鳳が目覚めてからは、彼女の視点もある。薄墨、蓬己、桐青の微妙な三角関係がよい。紫鳳は王を殺す刃という役目をはたしたが、靈砡から強制的に選ばれる王というのもある意味不運なのかもという感じ。蓬己と薄墨は再開を果たしたが、桐青はどうなったか語られていないのが少し残念。
yamakujira
冰心山で氷に閉ざされて眠っていた柳紫鳳は、月家刀が奪われるとともに目を覚ました。仇討のために月家刀を欲する蓬己、毒手で山を守る桐青、国を恨む姚玄舟、神出鬼没の塞北盗侠、謎めいた豪商の丁花景、さまざまな者の思惑がからみながら、紫鳳は運命に導かれるように王のもとへ向かう。前作から100年後、知人がすべて故人となった世界に目覚めた紫鳳の寂寥も、靈砡によって望まぬ地位に選ばれてしまった王の虚無も哀しいけれど、蓬己と薄墨の再会は未来への希望だね。桐青は雪豹のもとに戻り、紫鳳はまた眠りにつくのかな。 (★★★☆☆)

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