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勁草

勁草

進化するニセ電話詐欺手口を克明に描き尽くす。追う刑事、逃げる詐欺殺人犯。直木賞作家が挑む迫力の犯罪サスペンス!

著者 黒川博行
ジャンル 文庫
文庫 > 徳間文庫
シリーズ 徳間文庫
出版年月日 2017/12/01
ISBN 9784198942854
判型・ページ数 文庫・544ページ
定価 825円(税込)
橋岡は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とはオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の手配も任されていた。騙し取った金の大半は高城に入る仕組みで、銀行口座には金がうなっているのだ。賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。一方で府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出していた。最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!
  • 黒川博行
    1949年愛媛県今治市生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。1986年『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞受賞。1996年「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。2014年『破門』で第151回直木賞受賞。
さなこ
特殊詐欺から貧困ビジネス、そして殺人まで、坂を転げ落ちるのはあっという間。特殊詐欺に手を染めながら、詐欺対策強化の前に銀行で手間取るのは皮肉なのでしょうが、何となくおかしみを感じます。考えなしでも偉そうでも結局生きたもの勝ちなのですねぇ。あっという間の呆気なさすら感じるラストでしたが、まぁらしいと言えばらしいのか…?ところで時計を売らせる場面、保険証を持ってこいと言っていたけど、彼は生保受給者ではなかったのかが気になっています。
やどかり
積ん読本の消化。本書は、振り込め詐欺を題材にした話。振り込め詐欺の手先として使われていた橋岡と矢代は賭博の借金をきっかけに予期せぬ殺人事件に巻き込まれてしまう。対して詐欺グループを追う大阪府警の湯川と佐竹のコンビは地道な捜査を行い真相に迫る。追われる側と追う側の視点が交互に描かれていて話が立体的にふくらむ。テンポの良い関西弁のやりとりに、ジェットコースターの展開、分厚い本にもかかわらず、一気によんだ。でも、結末はあっけなさすぎたかな。

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