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夢裡庵先生捕物帳下
「相性を見てほしい」真剣な顔をした娘が本当に占ってもらいたかったものとは(手相拝見)。金魚が一匹残らず死んだ。さらには人間まで……もしやあの饅頭に毒が?(金魚狂言)。花火が終わって静まり始めた川に浮かぶ船には、一体の屍体が(仙台花押)。八丁堀同心・夢裡庵が大砲隊の前に仁王立ちする最終話(「夢裡庵の逃走」)を含む、江戸が舞台の連作ミステリ11篇。(解説:澤田瞳子)
hirayama46
そんなわけで下巻。後半から人情ものにシフトするのかな……と勝手に想像していたのですが、ミステリとしての仕掛けやフォーマットには最後までこだわっていたシリーズで好感を持ちました。シリーズの完結もきれいでしたし、良いシリーズでした。
冬峰
『猿曳駒』、納豆売から始まってあんな展開に。すごい運任せ、いや犯人の運がなかったってことか。『風車』、そんなとこにお灸据えるのか。まったく酷い話。 徳川の時代も終わりを迎え、夢裡庵先生も新しく生まれ変わる。最終話、あの流れで謎解きがあるとは思わなかった。千代さんが産婆を自称したのは(もちろんあとの文への振りだが)機転が効いている。この人がキレたときなんかに荒い言葉遣いになるのが良い。かっけえ。おたけさんも「おれ」だったな。上下巻で「おかみさん」に当てる字が神のときと上のときがあったけど、なんでだろう。