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下手に居丈高
世の不徳義を斬り、返す刀でみずからの恥部をえぐる。この静かで激しい無頼の流儀――。煙草とアルコールをかたわらに、時代遅れな“私小説”の道を突き進む孤独な日々は、ひとつの意志と覚悟に満ちている。したてに「落伍者」を自認する、当代きっての無頼派作家は現世の隙間になにを眺め、感じ、書いているのか。軽妙な語り口でつづられる「週刊アサヒ芸能」連載の傑作エッセイ集。
澤水月
アサ芸の連載。還暦まで絶対生きていない、「小説家の創作寿命など十年が限度」、山田花子に想いを馳せたり不健康さ綴り死を見透かしている風合いも。没後、本の雑誌担当記者座談で純文学文芸誌の数人は酷い目に遭わされている中、アサ芸・崔氏には心を開き目だった。現代の大衆雑誌の頂にふさわしく1章3pと短く1年半芸能関係の話や番組降板の話など興味引くように書く、凄い真面目さ。内田百閒、村崎百郎ら想起、自分第一主義・癇癪・下品と純粋が入り混じる。本書内記述とは逆に死後も、5年10年後も読まれていくと思う(kindleあり)
ぽち
一回原稿用紙3枚程度の週刊連載エッセイを初回から最終回まで。 既読者には周知の内容のキリトリまとめのようでこれは小遣い銭稼ぎかと思ったけど、まとめて読むとドライブ感が生まれてくる。改めてみると各回の濃度構成バランスなど統一されていてやはりどうにも文筆のプロの技。 御多分に漏れずこの書も絶版であるけど大型新古書店にて安くで入手。