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天の光
柊清三郎は福岡藩の普請方の三男。十七歳で仏師の修行に入り、師匠の娘おゆきの婿に望まれた。しかし、仏性が見出せず、修行のため、三年間京に出る。戻ったとき、師匠は賊に殺され、妻は辱めを受け、行方不明に。妻のおゆきが豪商・伊藤小左衛門の世話になっていると判明し、お抱仏師に志願して、十一面観音菩薩像を彫った。しかし、抜け荷の咎で小左衛門が磔となり、おゆきも姫島に流罪になってしまう。清三郎はおゆきのため、姫島に渡ろうとして…。
ふじさん
貧乏下士の三男として生まれた清三郎は、仏師・高坂浄雲に弟子入りするが、木に仏性を見出せず、3年間、京に修行に上る。修行を終えて戻ると浄雲は賊に殺され、妻のおゆきは辱められ行方不明になっていた。おゆきは、伊藤小左衛門に命を救われ、世話になっていることが分かるが、おゆきは清三郎の元には戻らない。抜け荷の咎で小左衛門が磔となり、おゆきも流罪になる。おゆきを救うために清三郎も島に入るが、次々に災いが襲い掛かる。最後には、幸せな結末が待っているが、清三郎とおゆきの人生は波瀾万丈、よくぞ生き残れたと思わざるを得ない。
りんふぁ
単行本が見つからなかったから文庫本で登録。仏師のお話しですが、仏性とはなんぞやと主人公が悩み苦しみ掴んでいく葛藤に心揺さぶられました。