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カチョウ
火災原因調査官
心から尊敬している上司の刀根が放火の犠牲に――。一月ほど前から立て続けに起こっている火事と関係があるのか? 中学時代に巻き込まれた放火事件をきっかけに、自ら望んで火災原因調査官となった新見茜は、刀根を弔うため、自分の力で犯人を捕まえようと力を尽くす。しかし法制上、捜査権も逮捕権も認められていない。思うようにならない茜は、ついに思い切った行動に出るが……。
るな
放火犯はすぐに誰かわかっちゃったけど、最後まで飽きずに読めた
yamakujira
小松川市消防本部の火災原因調査官に赴任した茜は、上司の刀根が犠牲となった放火事件を独自に捜査する。連続放火の犯人は早くに想像できるし、消火弾の件も肩透かしだし、文章も読みやすいのはいいものの、題材のわりに軽すぎて物足りない。まぁ、放火の動機から行動まで、犯人の幼児性はうまく描けてると思うけれど。むしろ、消防と警察との確執とか、茜の父親を例にした誤認逮捕による救われない被害とか、安易な救急要請の増加とか、出所した放火犯が語る放火魔の心情とか、本筋と関係ない話が興味深かった。 (★★★☆☆)