ジャズをかける店がどうも信用できないのだが……。 

ジャズをかける店がどうも信用できないのだが……。 

すっぴんだとブス。男のほうが恋をひきずる。電車内で鼻××。「そういうことになっている」日常に待ったを入れる痛快エッセイ集

著者 姫野カオルコ
ジャンル 文庫
文庫 > 徳間文庫
シリーズ 徳間文庫
出版年月日 2016/03/04
ISBN 9784198940867
判型・ページ数 文庫・208ページ
定価 660円(税込)
ファンデーションは女性全員をブスにするのに、すっぴんに大騒ぎするのはおかしい。「おまえといても男といるみたいだって言われる」とボヤく女性に「そんなことないよ」と励ますべからず。「小悪魔」は若い女では意味がない。ジャズを流す店に垣間見える誤魔化しの法則。――毎日の暮らしの中にはびこる思い込みに「待った」を入れる、目からウロコのエッセイ集。
『すっぴんは事件か?』改題のリニューアル文庫。
  • 姫野カオルコ
    1958年、滋賀県生まれ。1990年、『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー。2014年、『昭和の犬』で直木賞受賞。著書はほかに『受難』『ツ、イ、ラ、ク』『ハルカ・エイティ』『リアル・シンデレラ』『終業式』『整形美女』『近所の犬』『部長と池袋』『謎の毒親』など多数。
katoyann
エッセイ。表題は本の後半に出てくるテーマ。ジャズをかける店は、照明が薄暗く、料理のアレンジが雑である、という著者の意見は「あるある」だなぁ、と思う。雰囲気で誤魔化している。化粧への忌避感をつづるエッセイからはルッキズム批判も読み取れる。全く教条的ではないので、軽い気持ちで読むと「社会との対峙の仕方」まで学べて(?)良い。作家だからちょいズレるかもしれないが。 個人的には結びのあたりのエピソードが面白かった。オノ・ヨーコと一緒に写真を撮ってもらうときに着ていたTシャツがストーンズだったというオチ。
ゆるり
カオルコさんのエッセイ初読み。走り読みになったが、「小学生の夢ベニスに記す」4の1文集1968年の起承転結が面白かった。起は酷く物悲しく侘しい。担任のM2の野郎め!何が少女趣味だ。小4の女の子なんだから少女じゃないか。「夢はゴンドラに乗って」を採用してやれよ。…承。その話を出版関係者にしたら爆笑される。現在の姫野カオルコを決定してしまったようなエピソードだと言われる。転結でもトーマス・マン、ヴィスコンティのベニスに死すに絡めて、笑える。あと「ツイラク」は未読なので是非読まねば!とても良いことが起こるとか?

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