神鵰剣侠 二 モンゴルの野望
著者 | 金庸 岡崎由美、松田京子・訳 著 |
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ジャンル | 文庫 文庫 > 徳間文庫 |
シリーズ | 徳間文庫 |
ISBN | 9784198924515 |
判型・ページ数 | 文庫・496ページ |
定価 | 880円(税込) |
酩酊斉案山子
物語としての起伏に乏しいというか、脈絡もなく次々現れる敵とひたすらバトルしている印象で、登場人物の行動原理に合点がいかなくて1巻はイマイチ乗れなかったけど、2巻の途中からこれは昔懐かしい香港のカンフー映画とよく似た構造なんだと気付き、以降はとても楽しんで読めた。1959年連載開始というと日本のサンデーやマガジン創刊と被るわけだが、既に中国はのちのジャッキー・チェンを彷彿させる剽軽な主人公や、登場する美少女が悉く主人公に惚れてしまうハーレム展開を実装していたわけですな。
緋莢
この作品の宿敵・金輪法王登場。金庸作品には、こういう憎いぐらい強く、悪知恵が働く悪役が欠かせません。また、他の方が「ハーレムラノベ」、「ハーレム漫画」と書いてますが、それも金庸作品にはよく出てくる要素。三部作最後の作品に比べれば、まだマシです。この作品の楊過は本当、小龍女一筋ですが。北丐・洪七公と西毒・欧陽鋒が退場。悲劇的ではなく、今までの遺恨が全て吹き飛んでの最期が印象的でした。楊過、小龍女、2人で静かに暮らしたいというだけのはずなのに、その道のりは険しいです。