女狐の罠 足引き寺閻魔帳
TM
2巻 宝塚図書館
きくちゃん
この本に限らずこの作家はよほどの酒豪であろうか・・と思わせるほど飲酒の場面が多いがこのシリーズは特別にそう感じる。宗徳を中心に地蔵寺に集う4人の仕事師の発端は必ずと言っていいほど酒で始まる。いやいや。それを嫌悪しているのではありませんよ。酒徒にはそれが限りない魅力なのです。そしてそこで交わされる宗徳と佐仲のやりとりは悪態をついているようで限りない友誼が感じられ、さながら青春小説のようでもある。さらには人情物のようでもありながら善人が救いようのない悲劇に見舞われるところは現実社会をよく反映していますとも。