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通夜女

通夜女

通夜通いが趣味の小夜子が、本当の別れを知る物語。葬儀場で人生が変わる、再生の物語。さよならから始まる人生がある。

著者 大山淳子
ジャンル 文芸書
シリーズ 文芸書
出版年月日 2019/10/31
ISBN 9784198649500
判型・ページ数 四六・288ページ
定価 1,760円(税込)
小夜子24歳。
無職。
趣味は通夜へ行くこと。


葬儀場で人生が変わる!

◆通夜女3カ条◆
・通夜の空間を演出し、遺族を慰める。
・焼香を済ませ、
 通夜ぶるまいを食べたらそっと消える。
・通夜女が現れると葬儀社が儲かるらしい。

就職活動に失敗し、心がぽっきり折れた小夜子は、
ふらりと通夜に立ち寄る。
会場には香の匂いとお経、木魚のリズム、
そしてすすり泣く声が――。
そこには奇妙な老婆がいた。
通夜を渡り歩き、遺族を慰める「通夜女(つやめ)」
だと彼女は名乗る。
さまざまな葬儀を通夜女と訪れるうちに、
小夜子の心に変化が訪れる。

【目次】
香とイクラ
ならず者
矢印に導かれて
五千円
ほくろの婆さん
骨壺プリン
通夜レディ
なま土下座
ポケットティッシュ
太陽
ごめんで済むなら
卒業
六年後
  • 大山淳子
    東京都生まれ。映画脚本『三日月夜話』で第32回城戸賞受賞。シナリオ『通夜女』で第12回函館港イルミナシオン映画祭グランプリ受賞。『猫弁 死体の身代金』で第3回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー。『猫弁』シリーズ、『あずかりやさん』シリーズの他に『雪猫』『牛姫の嫁入り』『イーヨくんの結婚生活』『猫は抱くもの』『赤い靴』などがある。
みやび
人の不幸は密の味とはよく言ったものでその密を求めて小夜子は見ず知らずの他人の通夜を渡り歩く。就職活動に挫折し引きこもりになり自分より不幸な人を見て一時の安らぎと安堵を得る。本当の悲しみに暮れる人達を前になんて身勝手で無神経な女だろうと最初は不愉快な気持ちになる。でもみんな少なからずそういう黒くて醜い感情を持っている。嫌な事や辛い事があった時自分より不幸な人を見て慰められたような気がするのも事実。小夜子が師匠と仰ぐ通夜女の老婆が小夜子を断罪する言葉が精一杯のエールに思えて清々しさを感じた。
machi☺︎︎゛
通夜女って本当にいるのかと思うほど何かリアルで怖かった。就職で失敗した小夜子はたまたま行われていた知らない人の通夜に紛れた。そしたら読経の声や香の香り、それらが小夜子を癒してくれた事に気付く。それから通夜巡りを繰り返す小夜子。そこで通夜女と呼ばれる老女に出会いますます通夜の魅力にはまっていく。だけどそこから得られる気付きや発見もあり小夜子自身も変わっていく。エキセントリックなタイトルだけど改めて人生についてとか考える事ができた。

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