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犬

旅の果てに幸せをみつけることはできるのか。話題作を続々と刊行する、今最も注目される俊英が描く至極のロードノベル。

著者 赤松利市
ジャンル 文芸書
シリーズ 文芸書
出版年月日 2019/09/28
ISBN 9784198649302
判型・ページ数 四六・384ページ
定価 1,870円(税込)
大阪でニューハーフ店「さくら」を営む桜は63歳のトランスジェンダーだ。23歳で同じくトランスジェンダーの沙希を店員として雇い、慎ましくも豊かな日々を送っていた。そんなある日、桜の昔の男・安藤勝が現れる。今さらと思いながらも、女の幸せを忘れられない桜は、安藤の儲け話に乗ることを決意。老後のためにコツコツと貯めた、なけなしの1千万円を用意するが……。鬼才が放つ、狂乱の疾走劇
  • 赤松利市
    1956年香川県出身。除染作業員を経て、第1回大藪春彦新人賞を「藻屑蟹」にて受賞。その後、初長編『鯖』を発表。『犬』にて第22回大藪春彦賞を受賞。その他の著書に『らんちう』『藻屑蟹』『ボダ子』『純子』『女童』『アウターライズ』『白蟻女』『風致の島』『隅田川心中』『饗宴』『エレジー』『東京棄民』やエッセイ『下級国民A』がある。
Gemi
先日読み終えた「救い難き人」と同じ匂いを纏った本。本作の主人公は大阪でニューハーフ店を営む63歳の桜。同店で働く美少女の沙希は23歳。2人ともトランスジェンダー。ある日その店に桜の昔の男、安藤が現れる。桜は動揺を隠せなくなり、そんな桜を見ていられない沙希。随分と認識が変わってきているLGBTQ。どう考えても沙希が正しいのだが、桜はどうして安藤を信用したのか。いや、信用していたわけではなく賭けたのだ。家族がいなくて老後が不安な桜には安藤を信じることに賭けるしかなかったのだ。最後はモヤっとするが壮絶だった。
椎野
なかなか凄惨な話だけど、語り口が関西弁なせいか、軽妙で読みやすい。LGBTの人たちが、この物語のように寄り添って暮らせる世の中になればいいと思う。 安藤のような男は世の中にたくさんいるので、滅んでくれ。

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