地先
寡作ながら、今まで素晴らしい作品を生み出してきた乙川優三郎が、日本を舞台に人生の機微を描く秀逸な短編集!
圧倒的な筆致で、数々の賞を総なめにしてきた乙川優三郎の真骨頂は、心にしみる短編にある。楽しいだけの話ではなく、「苦しみの末のハッピーエンドを予感させる物語」を描く。人生の後半にさしかかった男女。しかし、心は、色褪せてはいない。艶めいた思い出と、思いがけない出来事で揺れる8篇を収録。
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圧倒的な筆致で、数々の賞を総なめにしてきた乙川優三郎の真骨頂は、心にしみる短編にある。楽しいだけの話ではなく、「苦しみの末のハッピーエンドを予感させる物語」を描く。人生の後半にさしかかった男女。しかし、心は、色褪せてはいない。艶めいた思い出と、思いがけない出来事で揺れる8篇を収録。
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けえこ
房総半島御宿辺りの描写が多めの短編集。 油彩青木繁「海の幸」にインスパイアされたのかな?表題作が印象的だった。
じいじ
「時代小説」に惚れ込んだ乙川さんですが、いまいち馴染めない乙川さんの「現代小説」。でも、この短篇集の【表題作】はよかったです。舞台は著者十八番の房総半島「御宿」の海です。外房には勝浦・鴨川など数々の名所がありますが、この御宿が一番好きです。いっとき夏の海水浴シーズンを避けてせっせと通いました。主人公の絵描きが、熱狂的に彼を支える女(パトロン)からの脱皮を願って、ひとり「御宿」のしなびた民宿へ。そこの宿の一人娘をモデルにして自身の再起を…。昨夜は、鏡面のような静かな御宿の海が夢枕に立ちました。