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眠れない夜は体を脱いで
手が好きなので、あなたの手を見せてください!――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた。ほんとの俺ってなんだ――「小鳥の爪先」女という性になじめない――「あざが薄れるころ」不安や醜さが免除されている子はずるい――「マリアを愛する」社会の約束事を無視するなんて――「鮮やかな熱病」俺はいつも取り繕ってばかりだな――「真夜中のストーリー」連作短篇集。
mie
☆☆☆☆
きき
『手が大好きなので、いま起きている人の手の画像をください!』とある掲示板で投げかけられたコメントを見るのは、男子高校生や中年女性・男性…環境も性別もまるで違う人々。手の形が人それぞれなのは当たり前だけど、置かれた環境・性格で、そのコメントの捉え方までもが千差万別なのが不思議。誰しもがコンプレックスを抱えて生きている。でもそのコンプレックスも捉え方によっては好きなポイントに出来たりもする。私も「分かる」と思う様な悩みの数々。だからこそ読了後にそっと明るい気持ちになれる一冊だった。