秋萩の散る

秋萩の散る

綺麗事だけで国は動かぬ――。栄枯衰退の世、儚く尊い古代の日々。『若冲』の著者による、人生の機微に触れる傑作歴史小説。

著者 澤田瞳子
ジャンル 文芸書
シリーズ 文芸書
出版年月日 2016/10/07
ISBN 9784198642709
判型・ページ数 四六・240ページ
定価 1,650円(税込)
わしと共に、京の者たちを呪い殺そうとは思わぬか――。薬師寺別当に任命され、遠い京から下野国にやってきた道鏡は、行信という僧から禍々しい誘いを持ちかけられる。一瞬、道鏡の心を過ぎったのは……。日本の威信と将来を担う人々の姿、奇跡のような瞬間が、奈良の都に満ちる。『若冲』の著者による、人生の機微に触れる傑作歴史小説。
  • 澤田瞳子
    1977年京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。2011年、デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を受賞。13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞2012ならびに第32回新田次郎文学賞を受賞。16年『若冲』で第9回親鸞賞、20年『駆け入りの寺』で第14回舟橋聖一文学賞、21年『星落ちて、なお』で第165回直木賞受賞。その他の著書に『ふたり女房』『師走の扶持』『関越えの夜』『秋萩の散る』『与楽の飯』『腐れ梅』『火定』『龍華記』『落花』『名残の花』『能楽ものがたり 稚児桜』『漆花ひとつ』『恋ふらむ鳥は』、エッセイ『京都はんなり暮し』などがある。
あいべきん
いやー、やっぱりこの時代は苦手だなぁ。名前が読めないw 自分の知能の問題w 話的には面白かったような気もするんだけどな。
鬼山とんぼ
この作者の美点と弱点の双方が凝縮されているような短編集。全体はデビュー作『孤鷹の天』の人物と被り、スピンアウト小説の色彩が濃い。出色は「南海の桃李」で、時代考証から想定可能な人間像をうんと深め、交易による相互利益を見つけた無名の人物を描いた。前作では保身的人物に見えた吉備真備が一変している傑作。これに比べ終わりの2編はアイデアの奇想性に賭けたものだが見事にズッコケたという印象。所詮想像上だからどんな設定にしてもよいか、というとそうでもなく、読者許容範囲を越えると×。私の評価では『与楽の飯』『若冲』も同様。

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