いのち買うてくれ

いのち買うてくれ

剣道最高位を取得した著者による、剣、武道、命を問う!

著者 好村兼一
ジャンル 文芸書
シリーズ 文芸書
出版年月日 2016/05/18
ISBN 9784198641511
判型・ページ数 四六・416ページ
定価 2,090円(税込)
宝暦十一年(一七六一)、遠山弥吉郎に主君を誑かす不届き者・丸屋を闇討ちせよとの密命が下る。正義のため、そして家禄の引き上げのために引き受けた弥吉郎だったが……。謀略に巻き込まれ妻子とともに江戸へ逃げることになった弥吉郎は並ならぬ貧苦に揉まれることにより、武士とは何か、命とは何であるかを見つめなおしてゆく。魂震える時代小説超大作。書下し。
  • 好村兼一
    1949年東京都生まれ。東京大学在学中に全日本剣道連盟派遣学生指導員としてフランスに渡り、以後、フランスで剣道指導に携わる。剣道八段、パリ在住。2007年に『侍の翼』でデビュー。他の著書に『青江の太刀』『行くのか武蔵』『武蔵 円明の光』『伊藤一刀斎』など。
ゆりあす62
図書館本。★★★☆☆ 真面目すぎて権力者に利用され、家族と江戸へ逃げて働き口を探す。そこでの奮闘が涙ぐましく、やっぱり江戸は都会だから紛れ込めるけど、身元保証の無いものには、生きていくには酷な町。特にお金の問題は身に染みる。そして万策尽き果てて自分自身を売りに出す。家族が仲が良いのが希望。いつも思うのは「お侍様はつぶしがきかないからね~。」
ソババッケ
藩上層部の私欲の手先に使われ国許を追われて江戸で雌伏する。「うつけ者の値打ち 風の市兵衛」に酷似している。家族を連れ江戸へ出るが、人の情けに救われて、日雇いから、左官の見習い、大道芸人へと境遇は向上していく。しかし、怪我をしたことで借金が圧し掛かり、どうにもならなくなった主人公は、家族を思い己の命を売りに出す。それを高値で買う札差の男。ここまでは「葉隠」に通じるものがあって面白い。妻や息子との家族の絆もうまく描けている。しかし、幼馴染の推挙で許され国許へという結末は、後味の悪さのみが残る・・・。★3.3

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