ノヴェリストの季節
編集者・黒島郁生は、かねてから愛読していた若き女流小説家・結城日向子の担当者となった。打ち合わせ、取材旅行、執筆、原稿直し。二人はまさに二人三脚で作品を作り上げてゆく。原稿をあるべき姿に近づける中、黒島は特別な感覚を覚える。この作品には、小説が持つもっとも大切な何かがある。ついに刊行の日を迎え、黒島は日向子に、編集者としての枠を越えた思いを抱いていることに気づく。そしてもう一つ、別の思いも抑えられなくなっていた……。
saka
作者が物語の流れを握ろうとするあまり介在しすぎな気も。作中に出てくる、本の題名や歌う曲名がなんかが、それを伺わせる。あと、編集者と職場結婚してしまう女流作家はままいることで新鮮味がない。オチを作るために、女の子の反応が都合よすぎるあまり、話が唐突で恋愛小説の体をなしてない。作品が力を持って、作者を御して走らせるのも語られがちな題材で、作者自身がそれを渇望してんだろうなと思った。
トミー
小説を出版するまでの編集者側からの視点を描いた内容となっています。一冊の本を出版するまでに著者と同じぐらいに編集者も同じ熱量を持って取り組んだ結晶だと再確認しました。ただ、最後の落とし所が話の流れとしては自然ですが、出来ればそっちに落として欲しくなかったのが正直なところです。