電子書籍あり
身体的物語論
2016年5月に逝去した世界的演出家・蜷川幸雄。生前に彼が残した「身体」「物語」についての考察を書籍化。約60年の演劇人生のなかで、日本人の現代性を象徴する俳優たちの身体を見つめてきた。蜷川が俳優の身体を語ることは時代を語ることであり、人間存在の本質を考察することでもある。雑誌掲載されたものを再編集し、本書だけに語った語り下ろしインタビューを掲載した。構成・木俣冬による関係者らの証言を集めたレポートも併録。
ぱんださん
ずっと芝居を作り続けていてやっぱりスゴい。私は、舞台演出(見た目)が蜷川さんスゴい!と思ってたし、今も思ってる
arisaka
演劇が映像作品と決定的に違うことは、生身の人間の存在感であると思う。何一つ隠すもののない肉体を観客にさらす覚悟と、その役者の覚悟を受け止める観客。その日その劇場にしか存在しない物語を役者の肉体を通して受け取り、咀嚼し、自分の中での糧とする。肉体にこだわり続けた蜷川さんによる演劇論。ネクストシアターとゴールデンシアターは、やはり観ておけばよかったなと後悔しきり。不在から3年。不在の在が日毎に大きくなっていく。