文芸書

詩の礫

和合亮一/著


発売日:2011年06月17日
ISBN:978-4-19-863193-2
判型/仕様:四六判
定価:本体1,400円+税

 内容紹介

「詩の礫」は、福島在住の詩人・和合亮一氏が被災6日目から「ツイッター」で発表を開始した新たな形式の詩です。140字という独特な制限の中で記された言葉は、迫真性と臨場感にあふれ、圧倒的な言葉の力は、極めて短期間で1万人を軽く超える読者の支持を得ました。湧出する感情のまま、まさに礫のごとく向かってくる詩の数々は、故郷・福島への愛しさ、肉親、子、友、自然への慟哭、震災への行き場なき怒り、絶対という概念を失った世界の不条理を描き、読者の心の深い部分を痛いほど衝いてきます。(以下、本書より)

<今、これを書いている時に、まだ地鳴りがしました。揺れました。息を殺して、中腰になって、揺れを睨みつけてやりました。命のかけひきをしています。放射能の雨の中で、たった一人です。>

<どんな理由があって命は生まれ、死にに行くのか。何の権利があって、誕生と死滅はあるのか。破壊と再生はもたらされるのか。>

<避難所で二十代の若い青年が、画面を睨みつけて、泣き出しながら言いました。「南相馬市を見捨てないで下さい」。あなたの故郷はどんな表情をしていますか。私たちの故郷は、あまりにも歪んだ泣き顔です。>

<命を賭けるということ。私たちの故郷に、命を賭けるということ。あなたの命も私の命も、決して奪われるためにあるのではないということ。>

<誰もいない 福島 静かな雨の夜 静かな涙は誰が流しているの この世を去ったその人を想いながら 想うしかない まぶたの中で目覚めるのは海>

テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど、「詩の礫」は多くのメディアに取り上げられました。修羅のごとく言葉をつむぐ姿は、読者を大いに共感、驚嘆させること必至です。ぜひご一読を。

 著者プロフィール

和合亮一
わごう・りょういち 1968年福島県生まれ。1999年第一詩集『AFTER』で第4回中原中也賞、2006年第四詩集『地球頭脳詩篇』で第47回晩翠賞を受賞。2011年に東日本大震災で被災した中からツイッターに投稿を続け、詩集『詩の礫』として書籍化されたほか、一連の活動が高く評価され、第30回NHK東北放送文化賞、第22回みんゆう県民大賞芸術文化賞を受賞。『詩の礫』はフランス語訳され、2017年に第1回ニュンク・レビュー・ポエトリー賞を受賞。最新詩集に『昨日ヨリモ優シクナリタイ』ほか。エッセイ集に『心に湯気をたてて』ほか。共著に『往復書簡 悲しみが言葉をつむぐとき』(若松英輔氏と)ほか。ラジオ福島、KBS京都、HBC北海道放送などで「詩人のラヂオ 和合亮一のアクションポエジィー」のパーソナリティを務める。ツイッターアカウントは「@wago2828」。

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