休暇に訪れたフランスで、母が入院し、子どもたちだけでホテル暮らしをすることになったイギリス人の私たち。五人の姉弟はそれぞれ、イギリスでは会ったこともない人々と過ごし、大人の世界の裏側をかいま見、とんでもない事件にまきこまれていく…。作者ゴッデンの体験に基づいて書かれた、ロマンスとミステリーに彩られた初期の傑作。
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ルーマー・ゴッデン
ルーマー・ゴッデン Rumer Godden
1907~1998。英国サセックス州生まれ。父の仕事の関係で、生後六カ月で当時英国領だったインドに移り住む。十二歳のときに英国へもどるが、その後もインドとを行き来して暮らした。一九三五年に作家として活動をはじめ、おとな向けや子ども向けに数々の作品を生み出した。作品は長編小説、短編小説、戯曲、詩など多岐にわたる。日本で紹介されている子どもむけの本に、『人形の家』(岩波書店)、『ねずみ女房』(福音館書店)、『バレエダンサー』(偕成社)、『ディダコイ』(評論社、ウィットブレッド賞)、『ねずみの家』『おすのつぼにすんでいたおばあさん』『帰ってきた船乗り人形』『すももの夏』などがある。
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野口絵美
横浜生まれ。東京女子医科大学中退。早稲田大学第一文学部卒業。翻訳家。児童文学の翻訳に『大魔法使いクレストマンシー 魔法使いはだれだ』『同 トニーノの歌う魔法』『魔法! 魔法! 魔法!』『すももの夏』『荒野にヒバリをさがして』(以上徳間書店)、絵本の翻訳に『王さまライオンのケーキ』『ニャーロットのおさんぽ』(以上徳間書店)などがある。