始まりは、鯨たちが太古に言語を獲得するまでを語った一編の童話だった。紀元前八二六九年、輻輳処理による発信制御と超音波通信網によって鯨類は分散広域ルーティングによる独自パケット交換網文明を構築していた。二百年後、鯨世界は個体の主体性が失われた全体主義世界となっていた。そんな中、一頭の鯨によりあらゆる発信パターンに対する解釈を実現する完全プロトコルが完成され、自我の共有による統合思念体プシスファイラとしての鯨類が誕生した。やがて彼らは人類と遭遇。ワイヤーメディア網によるインターネットの実装を働きかけ、やがて人類をもそのプロトコルに統合することとなった。そして、遙か未来……。