片桐晋悟は御膳所御台所人片桐又十郎の弟。御家人の三男坊だが、ゆえあって山谷堀にて一膳飯屋「夕月」を営む。恋女房のおちよ、息子の新太郎と娘のおつるの四人でつましく暮らしている。あるとき、夕月にも出入りする元書院番頭の竿望斎が数人の狼藉者に襲われた。助太刀に駆けつけた晋悟は、瞬く間に賊を片付ける。彼は「無海流」の剣の使い手であった。これが縁で晋悟は竿望斎の信を得、町方で暮らしながらもなにかと生臭い事件に関わっていくことに。それがやがて想像もつかない大事件へと…。山谷堀を舞台に、江戸の味と人情がたっぷり香る最新作。